職場や幼稚園のママたちからよく聞かれるのが、
「ハーフの子って、やっぱり英語ペラペラなの?」
という質問です。実はこの問いに対する答えは“NO”。

ハーフだからといって、英語が自然に身につくわけではありません。実際には言語は環境で決まるので、ハーフだから自動的に英語が身につくわけではありません。
<💬なぜハーフでも英語が自然に身につかないのか>
1. 家庭で使う言語が日本語だけだから
ハーフの子でも、家庭内の会話がすべて日本語であれば、英語を使う必要がありません。
言語は「必要性 × 触れる量」で決まるので、日本語だけの環境では日本語が圧倒的に強くなります。
2. 英語を話す親も“日本語で育児”しているケースが多い
英語ネイティブの親がいても、
- 日本で生活している
- 子どもが日本の園や学校に通っている
- 周りが日本語環境
こうした理由から、親も自然と日本語で話すようになります。「子どもが日本語で返すから、親も日本語で話すようになった」という声はとても多いです。
さらに、英語ネイティブ側の親が日本語も話せる場合、子どもが日本語で話しかけると英語でも日本語でも返せてしまうため、家庭内の会話がより日本語に寄りやすいという面もあります。

3. 子どもは“楽な言語”を選ぶ
子どもは本能的に、自分が理解しやすく、周りが使っている言語を選びます。
日本で育つと、幼稚園・友達・テレビ・絵本・先生…すべて日本語なので、英語を使う必要がありません。
4. 英語を使う場面がほとんどない
言語は「使う場面」がないと定着しません。
ハーフでも
- 英語圏の家族と会うのは年に数回
- 英語で遊ぶ友達がいない
- 英語のテレビや絵本に触れない
という環境だと、英語は身につきません。
5.親が”自然に身につくだろう”と思って何もしないケース
ハーフの家庭でも、「自然に身につくはず」と思って特に働きかけをしないと、日本語だけが強くなります。
YouTubeでも、「家庭で英語を使う環境がなかったために英語が身につかなかった」と話すハーフ当事者の動画が多く見られます。
6. 英語は“習慣”で身につくが、その習慣がない
英語は
- 読み聞かせ
- 聞き流し
- 日常会話
- 英語の遊び
など、毎日の小さな積み重ねが必要です。でも、その習慣がなければ、ハーフでも英語は自然には身につきません。
では、わが家ではどうしているのかというと…
こちらの記事👉英語・多文化・思考力が伸びる!グローバル子育てに役立つ本をご紹介します。で紹介した本の内容も参考にしながら、日々できることを少しずつ取り入れています。ここからは、実際にわが家で続けている取り組みをご紹介します。
<🌱 わが家の取り組み>
①日本語の土台をしっかり育てる
「えっ、日本語?」と思われるかもしれませんが、私はここがとても大事だと感じています。
- 語彙力や理解力は、英語を学ぶうえでも大切
- 日本語の絵本読み聞かせや会話もたっぷり
- “両方を同時に完璧に”ではなく、ゆっくり積み重ねる
② 小さいうちは「かけ流し」を中心に

- 朝の支度中や車の中など、生活のすき間時間に英語の歌や読み聞かせ音源を流す
- “聞き流しているだけ”でも、英語のリズムや音に慣れる土台づくりになる
- 親が完璧に理解していなくてもOK。とにかく英語が耳に入る時間をつくる
③ 子どもの“好き”を英語につなげる
恐竜・車・プリンセス…その時のブームに合わせて、英語の絵本や動画を選ぶようにしています。
“英語をやらせる”のではなく、“好きなことを英語でも楽しむ”というイメージです。
わが家の場合、息子は電車が大好きなので、電車で流れる英語アナウンスをYouTubeで一緒に聞いたり、電車ごっこをするときに英語でアナウンスして遊んだりしています。
お月様も好きなので、「月の形って英語でなんて言うんだろう?」と一緒に調べてみたり、お月様の英語絵本を読んだりしています。こうした“好き”を入り口にすると、自然と英語に触れる時間が増えていきます。
息子が好きなお月様の絵本👇
④絵本(日本語・英語共に)の“多読”

- 文字が少なく、絵が多いものからスタート
- 「読める・読めない」は気にせず、親子で一緒にページをめくるだけでもOK
- 同じ本を何度も読むことで、自然とフレーズや単語が耳に残る
- 子どもが自分で選んだ本は、繰り返し読みたがるのでインプットが増える
⑤ 海外の人とつながる時間をつくる
ビデオ通話で挨拶だけでも英語を使う機会があると、子どもにとって“英語=誰かと話すための言葉”という実感につながるように感じています。
わが家では、おじいちゃん・おばあちゃんと電話で話す時間をつくるようにしていますが、インターネットを通じて海外の人と交流できるサービスや、英会話スクール、インターナショナルスクールが行っているサマースクールなどのプログラムに参加してみるのも良い方法だと思います。
家庭だけでは作りにくい“英語で誰かと話す体験”が増えるので、子どもにとっても大きな刺激になります。
ハーフだからといって英語が自然に身につくわけではありませんが、逆に言えば、親が両方とも日本人でも、日本で暮らしていても、親が英語が苦手でも、できることはたくさんあります。
日々の小さな工夫や、子どもの“好き”を大切にした関わりで、英語はゆっくりでも確実に積み重なっていきます。わが家も試行錯誤しながら続けている途中ですが、無理をせず、できる範囲で楽しみながら続けていけたらと思っています。
今回の記事が、「うちでもできるかも」と思えるきっかけになればうれしいです。

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